古代漢字学習ブログ @kanji_jigen

古文字(古代の漢字)の研究に関するメモ

諸説の合理性

漢字の成り立ちの説明、というよりあらゆる現象の説明には、ピンからキリまでいろいろな説があります。各説に対して「これは誤りです、これは正しいです」のようなことを言うと、しばしば「どれが正しいかはわからない」的なコメントがくることがあります。

実際にはこういうことを言う人の中には『学術的態度をはなから放棄して自分の信仰する考え方を絶対正義としていて異を唱える人は悪とみなす』的な人が少なくなく、そういう人を学者が説得することは不可能です。しかし、それを見ている浮動的な立場の第三者が誤った道に進まないように、「どれが正しいかはわからない」的態度のよくなさを説明しておくことは重要ですので、そうした話題もこのブログにメモしておきます。

 

このことについて日本語学者の飯間浩明氏が良い解答をしているので、一つ引用します。

飯間氏がこのツリーで「妥当性」と呼んでいるものを私は「合理性」と呼んでいます。

 

試験の点数で「優/良/可/不可」と評価されるがごとく、「諸説」はみなそれぞれ合理性という観点から点数がつけられて、一定の合理性を有するものが正しいと評価され、合理性を有さないものは誤りと評価される、というわけですね(二段階評価がされるという意味ではない)。そして「みんな頑張ってるから点数はつけません!」とかにはならないわけです。