古代漢字学習ブログ @kanji_jigen

古文字(古代の漢字)の研究に関するメモ

漢字とヒエログリフの字符・字の配置

漢字は複数の部品に分解できますが、機能・役割に基づいて分解したときの個々の構成要素を「字符」と呼びます。言い換えれば、漢字は一つ以上の字符を組み合わせて成り立っています。

ヒエログリフは字符がそのまま字になるようです。つまり、複数の字符が組み合わさって字になるということが起きません。しかし、漢字と同様に一つ以上の字が組み合わさることで言葉を表します。漢字における字符が、ヒエログリフにおける字に相当します。

漢字の字符および字とヒエログリフの字の配置を模式的に表すと以下のようになるでしょうか。

漢字とヒエログリフの字符・字の配置

漢字とヒエログリフの字符・字の配置

どちらの体系も、1つ以上の字・字符が1語を表し、それがさらに並ぶことで句・文を表現します。

漢字が詞語レベルで塊を構成するのと比べると、ヒエログリフは(少なくとも見た目上は)字が雑然と並んでいる印象を受けます。古エジプト語と異なり漢語は基本的に1語1音節であるため、「語と語の切れ目」が強く意識された結果、漢字は塊を構成するようになったのかもしれません。